世の中にはたくさんの人がいる。
デデン!
それは、寒い寒い、冬のある日のこと。
突然だけど、あなたはコンビニのバイトをしていて、レジに立っている。
そんなとき、目の前に、愛想がよさそうで、とても親切そうな人がいることを想像、イメージしてみてほしい。
その人が商品をレジに持ってきたところだ。
いつも通りに商品をレジに通し、お金を受け取る。
商品の入った袋を渡し、その人が『ありがとうございます。(笑顔)』と一言。
そして、レジから離れていきそうなとき、ふと思い出す。
今そのコンビニでは、真冬のあなたの心を温めますキャンペーンをしていて、
商品を買ってくれたお客さんにホッカイロを渡してあげるということになっている。
でも、お店の店長からは、『カイロを渡すのは、君があげたいと思ったお客さんでいい。けど一人最大3つまでにしてくれな』と言われていた。
あなたはそんなとき、いくつカイロをそのお客さんに渡すのだろうか。
渡さないのだろうか。
ちなみに僕は、3つはなんか多いし、1つだと少ない気がするから、2つそのお客さんにカイロを渡すと思う。
『あっ、今キャンペーンやってて、カイロを無料でお渡ししているので、これどうぞ!!』
という感じで渡すのだろう、きっと僕だったら、、w
すると、『あ、そうなんですね(笑顔)。嬉しい、ありがとうございます。(笑顔)』と言って受け取ってくれた。
そして、そのお客さんはお店から出て行った。
『いい人や~(ほっこり)』と、僕は思いながらレジでぼーっとする
すると、商品をレジにもってお客さんが来た。
商品をレジに通し、お金を受け取る。
その人は別に何も言わず、ただ袋を受け取り。
レジを去っていこうとしている。
カイロを渡すか迷ったが1つ渡すことにした。
僕『あっ、今キャンペーンやってて、カイロを無料でお渡ししているので、これどうぞ!!』
お客様『あっ、どうも』と一言。
そのままお店から出て行ってしまった。
僕は、嬉しくも悲しくもない。ただ仕事をしただけという。特に感情は動かなかった。
という自己分析をしていた。
そんな時に、似たようなタイプのお客さんが、商品をレジに持ってきた。
商品をレジに通し、お金を受け取る。
その人もまた、別に何も言わず、ただ袋を受け取り。
レジを去っていこうとしている。
キャンペーンをせっかくやっているからというのもあり、1つカイロを渡すことにした。
僕『あっ、今キャンペーンやってて、カイロを無料でお渡ししているので、これどうぞ!!』
お客様『へえ、そんなのやってるんだ。助かるよ。ありがとうね(笑顔)』と、初めてこの人の笑顔を見た。
そして、そのお客さんはお店から出て行った。
僕は、『カイロを渡して良かった。2つ、3つあげればよかったかなと思った。』、とにかく、喜んでもらえて、嬉しかったのだ。(自己分析)
次のお客さんがレジに来た。
その人は、なにかとても急いでいるようだった。
『袋入りません、大丈夫です。』と一言。
商品をレジに通し、お金を受け取る。
その人は急いで、商品をを受け取り。
レジを去ってお店を出て行った。
僕『何か急ぎの用があったんだなあ、あっ、カイロ渡すの忘れた。』
僕『まあ、急いでいたし、しょうがないか(自分を正当化)』
僕『でも、少し薄着の恰好だったから、いくつかでも、どうぞと一言、言ってカイロを渡してあげた方が、その人のためになったかもしれない。』
もう、後の祭りだけれど。
次急いでいる人には、そうしようかな(考える)
そしてまたお客さんが来た。
ものすごく仏頂面で、商品をレジに持ってきた。
僕『この人怖そうだな』と思いながら、商品をレジに通す。
そして、お金を受け取り、商品の入った袋を渡す。
すると、『いつもありがとうね。(にっこり)』と一言。
僕はびっくりした。
ここのバイトはまだ初めたばかりで知らなかったけれど、
この仏頂面なお客さんは、いつもこのお店に来てくれている。常連のお客さんだった。
僕は急いでカイロを3つ手に取り、
僕『あっ、今キャンペーンやってて、カイロを無料でお渡ししているので、これどうぞ!!』
僕『いつも、ありがとうございます!』
お客様『あら本当に?ありがとう、嬉しい、もらっていくわね。』と言ってくれた。
そして、そのお客さんはお店から出て行った。
僕は、『人は見かけによらないんだなあ。なんか恥ずかしい。』と自己分析していた。
見た目だけじゃ、その人の中身はわからないよなと思った。
自分の主観で人をこんな人だろうと決めつけてしまうのは、よくないなと学んだ。
相手を理解するということは、自分を理解するということだ。(同じ人間なのだから。)
そんなことを考えていると、次のお客さんが来た。 寒そうな恰好をして、体が少し震えていた。 その人は、ホットドリンクのココアをレジへ持ってきた。
商品をレジに通し、お金を受け取る。
お客様『袋、大丈夫です。』と一言。
お金を受け取り、商品を渡す。
いかにも冷たそうな手で、ホットココアを手に取る。
僕は、カイロを渡してあげるべきだと思った。
僕『あっ、今キャンペーンやってて、カイロを無料でお渡ししているので、これどうぞ!!』
3つのカイロをその人に渡した。
お客様『すごく助かります。ありがとうございます。(笑顔)』と言ってくれた。
そして、そのお客さんはお店から出て行った。
僕はその時、人間は、自分が損をしないと感じるとき、困っている人を助けることができる。
そんな素敵な才能がすべての人に、あるのではないかと思った。
カイロをたくさん渡しても、別に自分が損をするわけじゃない。
お店のものだしね。
でも、もしこのカイロが自分のものだったとしたら、どうだろう。仮に3つしかカイロを持っていなかったら。
知らない他人に3つ全て渡すのだろうか。
きっと、この場合、人それぞれ意見がや考えがあると思う。
自分の分1つを残して、残り2つは渡すとか、そもそも渡さないとか。
1つ渡して、2つは自分で使うとか。
この時、渡すのが正解とか不正解とかは存在しない。
それは自分がどう思うか。どうしたいのかで変わってしまうものだと思うから
でも、もし自分のカイロだったとしても、困っている人にそれを渡すと選ぶことができる人ってのは、
相手が喜ぶことを喜べる。つまり、人の喜びを分かち合い、自分の喜びとできる。素敵な人なんじゃないかと思った。
あなたはどんな人になりたいだろうか。
僕は、そんな素敵な人になりたいと思った。
どうしたいのかは、自分の心に聞いてみるといいかもしれないね。
ここで一応、補足、もしも相手にとって、大きなお世話で
カイロを渡しても喜ばれないということもあるかもしれない。
けど、あなたが考えて、選んで実行した。その行動は、決して無駄ではない。
あなたは素敵な人だと、少なくとも僕は思います。
世の中には、いろいろな人がいる。
それをまた一つ理解できたと考えて、今のままの素敵なあなたでいてください。
と思いました。まる
さて、閉店時間まもなく、最後のお客さんだ。
どうやらイライラしているようだった。
さっきの仏頂面のお客さんとは違い、明らかに態度がイライラしている。
お客様『メビウスたばこ1カートン』と一言。
僕『番号を教えていただけますか』
お客様『不機嫌そうに、128番』
僕『ありがとうございます。』
商品をレジに通し、お金を受け取る。
何も言わず、ただ袋を受け取り。
レジを離れていきそうだが、僕はカイロをその人に渡さなかった。
今日初めてのカイロを渡さない人だ。
そして、そのお客さんはお店から出て行った。
僕はなぜその人に、カイロを渡さなかったのだろうか。
今まで渡してきた人と何が違かったのだろうか。(考える。)
同じ人間。違ったのは、僕がその人をどう思ったか(僕の主観の話だ。)
よく考える。
結果。
人、人間って、相手になにか良いことをされたら、その分返してあげようとか
もらったぶんは返してもいいかな、みたいなことを思う生き物だと思う。
逆もしかりで、嫌なことをやられた分は、やり返したいと思う生き物だと思う。
つまり、イライラした態度をとられて、僕は気を使った。
このお客さんは、僕に気を使っていないじゃないか。
カイロを渡すかどうかは、僕自身の都合だ。なら、別にこの人に渡す必要はないんじゃないか。
渡さなくてもいい。
ということじゃないかなと思った。
別にお店のカイロだから、渡したところで僕は損も得もしない。
だから、なんとなく渡さなかった。
そのなんとなくの部分が、そういうことなんだと思う。
人間誰しも、イライラしたりすることがあると思う。
けど、関係ない人にはそんなこと、わからないのだ。
僕だってイライラすることはある。
だから、気を付けようと思った。
イライラして余裕がないときは、視野が狭まってしまって、相手がどう思うかなんて、考える暇などないことが、ほとんどだと思うから。
そんなことを考えながら、お店を閉じた。
世の中には、たくさんの人がいる。
僕がカイロを渡した人たちから学んだことは、
愛想がいい人には、親切にしたくなる。
『ありがとう。』たった一言。この言葉だけで、人は嬉しい気持ちになれる。
笑顔。ただ相手が、笑っている顔なだけで、自分も少しにっこりできる。
冷たい対応の相手には、自分も冷たい対応をしてしまう。
時間の余裕がないと、相手に気を使うことが難しい。
相手を見た目だけで判断するべきではない。
考え方次第で、相手のことを喜ばせることができる才能が、人にはある。
イライラしたり、余裕がないときは、視野が狭まってしまう。
思いつきながら、バーッと描いたから、言葉とか文章が変な部分が多々あるかもしれないけれど、
少しずつ修正して、直していこうと思うので、あしからず(笑)
後日談。
冬が終わり、これから春になろうとしている時期、
僕はいつものように、レジに立っていた。
寒そうな恰好をして、体が少し震えていた、
ホットココアを買っていった、あの時のお客さんがレジへ商品を持ってきた。
商品をレジに通し、お金を受け取る。
袋を渡したとき、そのお客さんは渡した袋の中から、ホットココアを1本出して、
『この間はすごく助かったよ。ありがとね。』と一言いいながら僕に渡してくれた。
すごく、あったかいココアだった。
僕『ありがとうございます!』
お客様『いえいえ(笑顔)』
そして、そのお客さんはお店から出て行った。
なさけは人のためならず。
巡り巡って、人を喜ばせた人には、
喜びが自分のもとへと戻ってくるものだと。
僕は信じている。
あなたは、いったいどんな人?